みなさんは、ただしい防音対策を行っていますか?
自宅で楽器を演奏する方、小さいお子さまがいるご家庭では、「音によって近所に迷惑をかけていないか心配」というのも悩みのひとつなのではないでしょうか。それとは反対に、外や隣の部屋の騒音に「もうずっと眠れてない……」なんて悩んでいる方も。その両者におすすめなのが、防音グッズです。
防音グッズというと、床に敷く防音マットなどがメジャーではありますが、まだまだ浸透していないユニークな商品もたくさんあります。
そこで今回は、メジャーな商品からまだ見たことのない商品まで、おすすめの防音グッズを一挙にご紹介。それに加え、家で作れる防音グッズの作り方や音漏れの原因まで説明していきます!
1. 音漏れ・騒音を防ぐ!防音グッズ8選
まずは家の中の音漏れを防ぐ防音グッズを8つご紹介します。防音対策をきちんとしていれば、お子さんが部屋で走り回ったときやペットが鳴いたときも、ご近所さんを気にする心配はありません。ストレスフリーの生活を送るためにも、まずは自宅の中をアレンジしてみませんか?
1-1. 防音マット・カーペット
引用:ピアリビング
はじめにご紹介するグッズは、「防音マット・カーペット」。壁などに貼る必要もなく、ただ敷くだけで防音できちゃう優れものです。
賃貸でもっとも心配になるのが、家の中の傷やシミではないでしょうか。入居した後に傷をつると退去時に修繕費がかかる可能性もあり、できるだけ無駄な出費は抑えたいのが本音ですよね。そんなときに役立つのが防音マットとカーペット。
防音マットにはさまざまなカラーが展開され、コルクボードのようなデザインもあります。ライトグリーンやピンクなどのかわいらしい色を使えば、お子さまのいるご家庭にぴったりの遊び心溢れる空間に。また、コルクボードの防音マットを敷き詰めれば、ナチュラルテイストのインテリアになります。
足音を防げる上、部屋のインテリアや雰囲気をガラッと変えてくれる、一石二鳥の防音グッズです。
1-2. 遮音テープ・隙間テープ
引用:暮らしーの
※窓用の隙間テープに最適です。
※ドア下の隙間テープに最適です。
次におすすめしたいのが、「遮音テープ・隙間テープ」です。こちらは耳にしたこともあるのではないでしょうか。
「遮音テープ」は、遮音シートをテープ状にした商品です。ドアの隙間や防音マットの隙間を塞ぐことで、防音効果をアップさせます。ドア枠に沿って貼ることで防音ルームを作れたり、既存の防音ルームの効果を高めたりも。ありとあらゆる“隙間”を埋めるのに適した防音グッズです。
最初は適切な厚さの商品と出会うことが困難かもしれません。選ぶポイントは“開け閉めに少し力がいる程度”の厚さ。ドアが開けられないような分厚いテープは災害時の避難に影響を及ぼす危険性があるので、隙間の調整は丁寧に行ってくださいね。
「隙間テープ」は、アパートやマンションなどの集合住宅で起こる騒音に効果的です。
例えば、窓を開け閉めするときに「軽い・ゆるい」と感じることはありませんか?そう感じたときは窓同士がピタッと密閉していない状態で、すきま風や外からの話し声が部屋中に漏れてきます。外の声が聞こえるということは室内の声も漏れているので、プライベート的にも改善したいですよね。そんなときは、窓枠の中に隙間テープを入れましょう。すると、これまで空いていた空間が閉ざされ、音が遮断されます。
1-3. 防音カーテン・遮音カーテン
遮光カーテンなら誰もが知っているかと思いますが、「防音カーテン・遮音カーテン」というグッズをご存知ですか?音を通しにくい素材や織り方”を採用した、音を遮るカーテンです。
交通騒音は重低音から高音域の広い範囲の音域で発生するため、中音域から高音域に対して効果を発揮する防音カーテンは、外からの騒音を防止するのには適していません。
さらに、上の階からの足音や隣の部屋からの壁を叩く音など、物によって伝わる音にも対処できません。
一方、特に効果があるのは“空気で伝わる音”です。つまり、カーテンがある空間内からの騒音で、部屋の中から外に音が漏れるのを防止するのに効果的。なんと、遮音カーテンだけで音漏れを半分にまで減らすことも!先ほどご紹介した「隙間テープ」とのダブル使いで、防音効果は何倍にも膨れ上がるでしょう。
1-4. 吸音パネル・遮音パネル
引用:amazon 吸音材 斷熱用 吸音ボード 硬質吸音 フェルトボード 吸音パネル
賃貸物件に住んでいる方が手に取りにくかった防音グッズ、「吸音パネル・遮音パネル」。
「吸音パネル」は、おもにロックウールとグラスウールが使用されています。最近ではフェルトで作られているものも多く、“取付けやすい・軽い・吸音”の3つを実現。断熱材としても使用できるので、火事対策も可能です。
「遮音パネル」はコンクリートや木材、金属、石膏ボードなどの複数の材料から作られたもの。遮音シートよりも厚く、重いのが特徴です。重ければ重いほど、さらに密度が高いほど遮音効果が発揮されます。部屋の中からの音漏れを防止し、外からの生活音も遮断させることができる優れもの。
これらを効果的に使用するには、2つを組み合わせるのがポイント!例えば、吸音パネルを音の発生元であるテレビやオーディオプレイヤーの近くに貼り、それを挟むように遮音パネルを貼っていきます。そうすると音が反響しないため、クリアな音に聞こえる上、隣の部屋に音漏れしないという2つの効果を得られるのです。
今では賃貸物件でも使用できるようにと、ピンで取り付けられる商品が発売され、1人暮らしの女性でもDIYをして取り付ける方も多くいらっしゃいます。
1-5. ウレタン
引用:amazon (ピコリコ) PicoRico 吸音 防音 ウレタンフォーム 波型 スポンジ
アタッシュケースなどの内側についている「ウレタン」は、壁に貼る防音グッズとして活躍しています。
ウレタンとはポリウレタン樹脂のことで、スポンジ状のふわふわした素材が特徴です。先ほどの「吸音パネル」に使われているロックウールやグラスウールと比べて、軽くて切りやすいのが嬉しいポイント。防音性に加えて吸水性・断熱性もあるため、建物の建築でも頻繁に使われています。
「なぜスポンジに防音効果が?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。ウレタンは多孔質系で、小さな穴がたくさん空いています。この多孔質系の吸音材は高音域を吸収する力が強く、話し声やペットの鳴き声などに効果的。吸音パネルで使用されているグラスウールよりも優れているのです。
本来、重ければ重いほど効果のある防音材ですが、ウレタンに関しては軽くて効果があるため、大変重宝されています。
1-6. 防音スリーブ
換気扇から外の音が聞こえてくることはありませんか?もしかすると、部屋の中の音も盛れてしまっているかもしれません。そんなときに役立つ防音グッズが「防音スリーブ」です。
防音スリーブを換気扇のダクトに取り付けることで、室内の音を吸音・防音してくれます。
しかし、空気の通りを悪くしてしまうというデメリットも。換気の効率が悪くなる可能性もあるため、定期的に窓を開けるなどの対策を行ってくださいね。
それに加え、使用しているうちにフィルターにゴミが溜まってくるので、汚れチェックと防音スリーブの交換は気を付けましょう。
1-7. 防振ゴム
外に置いてある室外機から大きな音がするときは、「防振ゴム」がおすすめ。
まず、室外機の音の原因としては長年の使用になどによる故障と、エアコンの振動が考えられます。なぜ外から音が大きく聞こえるのかというと、壁や床からの振動によって共振するからです。
そんな騒音に対応できるのが防振ゴムで、床と土台の間、もしくは土台と室外機の間に挟みます。ゴムをかませることで室外機の振動を吸収し、床や壁へ伝わるのを防ぐのです。
ただし、室外機の振動自体を止めることはできないので、その点には注意しておきましょう。
この防振ゴムには“丸型”と“板型”の2つがあります。
丸型は、土台と室外機の間の四隅に取り付ける防振ゴムです。ボルトを緩めて差し込んだり、持ち上げたりしないとならないので、それが難しい方は板型をおすすめします。
板型は、土台と床の間、もしくは室外機の下に敷く防振ゴムです。これだけでは振動がじゅうぶんに抑えきれなかった場合は、コンクリートブロックの上に防振ゴムと室外機を置くのがおすすめ。
また、室外機は壁にぴったり付けるのではなく、少し離すように設置してくださいね。
1-8. 防音マイク
引用:yahooショッピング 防音マイク ミュート(VMM-150)
最後に紹介したいのが、「防音マイク」。ユニークな防音グッズですよね。自宅でカラオケを楽しみたい方やボイストレーニングをする方にとって、画期的な商品です。
最初は気にしていた声量が、熱が入るにつれて徐々に大きくなっていき、隣の部屋への騒音問題に。その他にも、実家住まいで家族に歌声を聞かれたくないときにも使えます。
口を覆うカバーがマイクに付いていて、口全体をすっぽり覆い隠すようにして歌うのが特徴です。カバーの内側はウレタンで覆われているため、吸音効果も抜群!大声を出しても、外に漏れるのは普通の会話レベルなのだそう。
スマートフォンやパソコンとも接続が可能で、なんとエコーの機能まで搭載されています。優れた防音加工と多彩な機能で、いつもの生活がより明るくなりそうな防音グッズです。
2. 家であるもので作れる!自作防音グッズ
ここまで音漏れ・騒音を防ぐ防音グッズを紹介しましたが、いかがでしたか?
さて、ここからは今すぐできる「家にある物で作れる防音グッズ」についてお話させていただきます!生活していると必ず出てくる“アレ”をリサイクルしてみましょう。
2-1. 卵の容器
誰もが購入する「卵」。じつは、卵が入っている「容器」に防音効果があるのです。
卵の容器は、一つひとつを包装するために凹凸になっていますよね。その凹凸には音の反射を弱め、吸収する効果があります。
使い方はいたってシンプルで、容器を広げて敷き詰めていくだけ。防音パネルと比べて安く手に入るので、ここぞというときに持っておきたい知識のひとつです。
しかし、防音パネルや吸音パネルと比べても防音性は低いため、しっかり効果を得たい方は防音グッズを選びましょう。
2-2. 段ボール
最近では通販で商品を購入する方も増え、段ボールに触れる機会も増えましたよね。
段ボールには平面の紙の間に波板が挟まれていますが、ポイントはこの部分です。波打った形には吸音性・遮音性があり、手作りで防音ルームを作ることも。
段ボールで防音パネルを作るには、波板の面が表面になるように切って平面部分を貼り合わせます。DIY好きな方が作っているのを見かけますが、非常に労力のかかる作業です。
しかし、段ボールと防音シートなどを組み合わせて作った自作の防音ルームは吸音性・遮音性ともにしっかりしており、作り終わった後はやりがいや達成感を感じられます。
3. 家の音漏れはここから!原因に合った防音グッズを
騒音問題に繋がる“家の音漏れ”は、じつはさまざまなところに潜んでいます。
「子供が走り回る音や飛び跳ねる音」は下の階に響き、ご近所トラブルにもなりやすい騒音です。防音マットを敷き、できるだけ振動を減らしましょう。マットだけでなく「走り回るのは外で」とお子さまに話すようにし、下の階の住人とは日ごろからコミュニケーションを取っておくのがベストです。
また、「話し声やテレビの音、ペットの鳴き声」などは隣へ伝わることが多く、窓を開けている場合は上下左右にまで伝わってしまいます。高音域だと思われる音に関しては、遮音カーテンで音漏れを半減させましょう。特に鳴き声のような大きな音は壁を伝わるので、遮音パネル・吸音パネルを上手に活用してくださいね。
意外と見落としてしまうのが、「ドアの開け閉めの音」です。バタンバタンと大きな音をたてていませんか?ドアクローザーが付いているドアはゆっくりと閉まりますが、付いていないドアは衝撃音を発生させます。
ドアクローザーがない場合にもっとも簡単な対処方法は、隙間テープを貼ること。閉まるときに抵抗が生まれるので、大きな音が解消されます。
このように、それぞれの音漏れに対してどう対処していくかを知ることで、周りだけでなく自分自身も気持ちの良い生活が送れることでしょう。
4. まとめ
今回は、多種多様な防音グッズと家にある物で作れる防音グッズについて、ご紹介させていただきました。「それ知ってる!」というものから初めて聞くようなものまで、さまざまな発見があったのではないでしょうか。
くつろぎの空間、子供たちと触れ合える場所、何かに集中できる空間でもある自宅。そんな大切な空間だからこそ、外からの騒音によってストレスが生まれ、家の中の音漏れも心配になるものです。自分自身はもちろん、近所の人々にも心地よい生活を送ってもらいたいという気持ちはみなさんが持っています。
ところが自分の考えに反して、突然騒音が始まることも。そんな非常時のレスキュー隊として活躍してくれるのが“防音グッズ”です。騒音や音漏れはどこから伝わる音なのかを調べ、それに合う防音グッズを選びましょう。
防音カーテンを2重にするなどの“ダブル使い”や、遮音パネルと吸音パネルの設置など防音グッズの“組み合わせ”によっても効果はまったく変わってきます。上手に防音グッズを活用しながら、快適な生活を作り上げましょう。